仏前の灯火に君は映らない 35
親王ショウケイアンは、モウ氏の嫡女に夢中だと言われている。彼は少年時代に彼女のために出家し、今また彼女のために俗世に戻った。しかし、実はモウセイショウだけが真実を知っていた。ショウケイアンが彼女と結婚したのは、妹のモウエンゲツとの婚事を成就させるためだった。祝言の夜、モウセイショウは七日後に死んだように見える不思議な薬を飲み、改名して自由な身になることを決意する。そして、離縁状を残して棺の中で終わりを待つ。その時、ショウケイアンは自分が間違った人物を選んだことに気づく。彼が長年思い続けてきたのはモウセイショウだったのだ。後悔に苛まれた彼は、彼女と共に死ぬために毒を飲むことを決意する。しかし運命のいたずらで、物語が終わったかのように見えたその時、彼は再び彼女を見つける。